デザイナーとしての基本的な心構え

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UNO

こんにちは。グラフィックデザイナーのUNO(ウノ)です。本格的にブログを始めました。40歳を過ぎてからグラフィックデザイナーとしてフリーで活動しています。日々学びの連続ですが、その中で感じたことをつぶやいていきます。よろしくお願いします。

GUEST

GUESTです。こちらこそよろしくお願いします。
初めての投稿ですが、まずは何から教えてくれますか?

UNO

これからお話しすることは、デザイナーとして私が常日頃思っていることです。2023年度はデザイン作成のみで年間150件以上の案件に携わってきました。個人の方から企業案件まで、有り難いことに多くの方にお声をかけていただくことが非常に増えました。その中で「デザイン」することの意味を勘違いしないため、自身を常にフラットな気持ちでいるための心構えをご紹介します。

こんな方にお勧めです‼️
・デザインを仕事にしようとしている方
・これからデザイナーになりたい方
・これから何かを始めようとしている方

目次

依頼された制作のデザインは『自分を表現する』ではない

私も含め多くのデザイナーは、自らの作品として少なからずデザイン業務に日々取り組んでいると思います。このモチベーションや考え方自体は悪いことではありません。ただ方向性を見失うことがあります。

例えば…
私の場合ですが、アパレルで使用するプリントデザインの依頼を頂戴することがあります。その際に自身が考えたオリジナルキャラクターやイラストを前面に押し出したいと思ってしまいます。しかしそのキャラクターやデザイン案がクライアントのイメージと果たして一致するかは定かではありません。自己表現を全面に出したアプローチのやり方は、一部の場合には適しているかもしれませんが、デザイナーとしては基本的には適切ではありません。(※クライアントからの依頼内容が“私(UNO)”のオリジナルな表現でという場合は除きます。)クライアント側の商品が主役でなくデザイナーが作成したキャラクターやイラストが目立ってしまうと、目的が達成されませんし、誰もが知らないオリジナルキャラクターを広告に大々的に使用しても効果的ではありません。

このように自身のセンスやデザインを主張しすぎる姿勢は、デザイナーとしては適切ではないかもしれません。
そのような場合は、むしろアーティストの方が向いている可能性が高いでしょう。

デザイナーになるための心構え

UNO

先ほどの文章ではデザイナーになりたいなら、自己表現を放棄すべきだと思われる表現でしたが、決してそのような内容の趣旨ではありませんので誤解しないようにしてください。

GUEST

う〜ん…理解できそうで理解できません。
どのような意味ですか!?

UNO

依頼者がいることが前提でお話をしますが、デザイナーとしてオリジナリティーは完全に捨てるべきではありません。むしろ、自らを表現する意欲を持ち続けるべきです。それは自分の強みとなることもありますし、常にセンスを磨くことを忘れてはいけません。
ただし、次のポイントに留意してください。

デザイナーとしての意識の方向性

デザイナーを目指す上で最も重要なのは、デザインに対する意識を高めることです。デザインとは単なる見栄えの良いものを作ることではなく、製品やサービスの本質的な価値を引き出し、ユーザーの求めるものを具現化することです。デザイナーには、クライアントや利用者の課題を理解し、創造的な解決策を提案できる能力が求められます。自分の好みや感性に捉われることなく、常に顧客目線で考え、最適なデザイン解決策を導き出す姿勢が必要不可欠です。デザインに対する謙虚な姿勢と、より良いものを生み出そうとする意識を忘れずに、デザイナーとしての基盤を築いていきましょう。そして自分の作品やクライアントの要望に対する責任感を持ち、常に向上心を持って取り組む姿勢が必要です。

デザインの力を信じる

デザインには、製品やサービスの価値を高め、ユーザーエクスペリエンスを向上させる大きな可能性が秘められています。優れたデザインは、製品の機能性や使いやすさを高めるだけでなく、ブランドイメージの醸成や顧客の購買意欲の喚起にも寄与します。デザインの力を信じ、クリエイティビティを最大限発揮することで、これまでにない革新的なソリューションを生み出すことができるのです。デザイナーには、常に最高のデザイン解決策を追求し、その力を信じ抜く姿勢が求められます。デザインの可能性を信じ、ユーザーにとって価値あるものを生み出し続けていきましょう。

デザイナーとしての探究心を持ち続ける

デザイナーには、常に新しい知識や技術を習得し、自己研鑽を続ける探究心が求められます。様々なジャンルの情報に触れ、最新のデザイントレンドを学ぶとともに、ユーザーニーズの変化にも敏感に反応することが重要です。単に既存の方法論に捉われるのではなく、常に新しい可能性を探り、より良いデザイン解決策を見出す姿勢が必要不可欠です。デザイナーとしての探究心を忘れずに、自身の専門性を深化させ、クリエイティビティを磨き続けることで、業界をリードするデザイナーとしての地位を築いていくことができるでしょう。

納得してもらえる喜んでもらえる「良い」デザインを作るために

デザインを通じてエンドユーザーやクライアントに魅力を伝えるためには、押さえておくべきポイントがいくつかあります。それが事前の準備にあたる「ヒアリング」という作業です。

商品やサービスの魅力を見極める

まずはこのポイントを把握することが不可欠です。商品やサービスが持つ特長を理解し、それを魅力的に伝えることが重要です。商品がスタイリッシュなのか、可愛いのか、手頃な価格なのか、大きいのか、小さいのか、長持ちするのか、柔らかいのか、迅速なのか…商品やサービスの特徴を把握し、魅力的に表現する必要性があります。

ターゲット層を把握する

デザインを作成する際に、どの層をターゲットにするか注意深く考える必要があります。例えば、年齢別、性別、個人向け、ファミリー向け、ビジネス向けなど、ターゲット層を把握することは、デザインの方向性を自然に決定するのに役立ちます。

メインカラーの選び方

デザインを作成する上で、メインカラーは何色が最適でしょうか?

1. デザインの視点から

会社のロゴや他の商品、サービスで使用されているメインカラーがある場合、その色を活用することでブランドを明確に表現することができます。これは、視覚的な一貫性を保つ上で効果的な手段です。

2. 視覚効果を考えて

デザインにおいて清潔感を演出したい場合は青系の色調を基調とすることも考えられます。また、赤を用いることでインパクトを与えるなど、視覚的な感覚を刺激する色彩の選択も重要です。

3. 時期やイメージに合わせて

海や山であれば連想させるカラーは青と緑になりますし、春をイメージさせるピンクなど、季節やイメージに合わせた色使いも効果的です。状況やコンセプトに応じてメインカラーを選定することが重要です。

納期と予算の把握について

デザイン作業において、納期や予算は重要な要素です。あまりにも時間を要するデザイン作業を行うと、納期に間に合わなくなるリスクがありますし、時間だけがかかってしまう案件も予算が見合わないなどの理由により見直す必要があります。そのため、スケジュールに合わせながらデザインを進めることが重要です。

予算とデザインの関係

予算もデザインにおいて重要な要素です。安いからといって手抜きをするわけではありません。例えば、撮影費用や素材購入費用を割り当てられない場合、希望する写真を使用することは現実的ではありません。時間と予算を適切に考慮し、最良の解決策を見つけることがデザイナーに求められることです。

クライアントとの効果的なコミュニケーションとヒアリングの重要性

デザインをより良くするためには、クライアントとの詳細な打ち合わせが必要です。ただ単にヒアリングするだけでなく、疑問や不明確な点があれば遠慮せずに質問することが重要です。理解したフリをするのではなく、確認を怠らないようにしましょう。ヒアリングが不足すると、クライアントの要望と異なる成果物が提供されたり、修正回数が増えたりする可能性があります。疑問があれば、打ち合わせや作業中にすぐに確認することが重要です。

コミュニケーションの積極性

疑問や確認事項があれば、遠慮せずに確認しましょう。過度な質問や確認ができないと、クライアントから不信感を抱かれる可能性があります。デザイナーが専門家であることは重要ですが、結果をクライアントに提供する前に、ヒアリングと確認をきちんと行うことが肝心です。

自分のデザインを表現したいなら

デザイナーとしてエンドユーザーやクライアントのためにデザインを考えることが、つまらないと感じてしまう時期や「自分のデザインを表現したい」と思う時期が誰しも来るはずです。しかしデザイナーとして依頼があった場合は、クライアントやエンドユーザーの為にデザインをする必要があります。私の場合は、自己表現を活かしながらクラインとエンドユーザーに対してご納得したものをご提供しています。

自己表現のしやすいデザインジャンルに特化させる

私の場合は、アメリカントラディショナル、オールドスクール、ビンテージに特化したデザインで差別化と表現をしております。デザインを学び始めた初期の段階からこのジャンルに絞って学んできました。ビンテージに特化したデザインは、自己表現を豊かにする素晴らしい方法です。レトロな要素やクラシックな雰囲気を取り入れることで、自分の個性や好みを表現しやすくなりました。古き良き時代の魅力を感じさせるデザインスタイルが好きで取り入れましたが結果的に独自のアプローチや表現方法に変わりました。

自分が得意とする分野や興味を持っているテーマにフォーカスすることで、より表現力豊かなデザインを実現することができます。自身の強みやアイデンティティを反映させたデザインは、他とは一線を画した個性を際立たせることができるでしょう。

提案のアプローチ方法を変える

実際にご提案の際に、どのようにしてアプローチ法を変えているのかをご説明します。

1.プロフィールや売り込みの段階で得意なカテゴリーで表現をする

初回の売り込みの段階で得意なカテゴリーでアプローチをしておきます。例えば、プロフィール代わりとして使用しているホームページやSNSになります。得意なカテゴリーを全面に出すことで、そのデザインのジャンルに興味がある方が実際にご相談にいらしてくれます。全く畑違いのデザインを作成することは無くなりましたし、得意なカテゴリーでデザインを作成することができるので「自己表現」がしやすく受け入れてもらえるようになりました。

下記のバナーが「ココナラ」というクラウドソーシングで活動している私のアカウントになります。カテゴリーに特化した表現をしておりますので参考にしてみてください。

2. デザインの提案時に自己表現したデザイン案を提示する

はじめのアプローチの段階で少なからず、興味のあるカテゴリー(私の場合は、ビンテージやアメリカントラディショナル)の印象やイメージで依頼をしてもらっています。そのため提案段階で3案を出すことが決まったとします。その場合はA案はエンドユーザーやクライアントを考慮した最善のデザインを作成します。B案は、A案が良いと考えるが、代替案としても機能するデザインを提案します。そして、C案では自己表現を込めたデザインを試してみます。

このアプローチ法の意味と効果について

作成したC案は通常「捨て案」として扱われますが、これは単に攻めすぎてニーズに合わない可能性があるからです。しかし、奇抜なC案と比較することで、A案やB案の良さがより明確になったり、幅広いデザインを示すことができます。意外な効果を生む場合もあります。クライアントが気に入ることもありますので、嬉しい驚きがあるかもしれません。

まとめ

UNO

デザイナーとしての基本的な心構えについて、私なりに解説してきましたが、如何でしたでしょうか。

GUEST

UNOさんの経験からリアルなお話が聞けて、わかりやすく参考になりました。また次回のお話が楽しみです。

デザインをより良くするためにはどうしたらいいのか

クライアントとの詳細な打ち合わせが必要です。ただ単にヒアリングするだけでなく、疑問や不明確な点があれば遠慮せずに質問することが重要です。理解したフリをするのではなく、確認を怠らないようにしましょう。ヒアリングが不足すると、クライアントの要望と異なる成果物が提供されたり、修正回数が増えたりする可能性があります。場合によっては非常にお時間がかかってしまいお互いにとってお時間とお金の無駄になることがあるので注意してください。

自身のデザインを表現したいならアプローチ法を変える

例えば、一流のプロアスリートは「スポーツ」というジャンルの中でご自身が得意とする「種目」でアプローチをしています。サッカー選手が力士として相撲の土俵に立つことは難しいと思います。その逆も然りです。

このようにプロフィールや売り込みの段階で得意なカテゴリーに特化した表現をすることで、ご自身のデザインのカテゴリーにあったお客様からの問い合わせが増えます。そのため必然的に成約率が上がります。他のデザイナーとは違う特化型のカテゴリーで唯一無二の状態をご自身で確立していくことをお勧めします。

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